お客様は、不動産業を営む従業員30名規模の事業者様です。Salesforceでは「商談」1レコードで案件全体(仕入〜販売)を管理していましたが、1つの土地・建物から複数棟・複数区画を販売する実態と合わず、収支管理の粒度がずれてしまうという課題がありました。
特に、1つの仕入案件を複数の販売区画に分ける「分筆」、逆に複数の仕入案件を1つにまとめて販売する「合筆」といった、不動産特有の業務の流れに対応できていませんでした。分筆が発生すると、本来は区画ごとに進捗や金額を別々に管理すべきところを1件の案件としてまとめて扱わざるを得ず、合筆の場合は統合後の案件情報を手作業で再入力する必要があり、二重管理が発生していました。
既存の案件(Opportunity)はそのまま活かしつつ、「子案件」「中間案件」という2つの新しいオブジェクトを追加し、分筆・合筆に対応できる構造に組み替えました。
あえて親案件と子案件を直接つなげず、間に中間案件を挟む構造にしたのには理由があります。分筆は1件の親案件が複数の子案件に分かれる「1対多」の関係になる一方、合筆は逆に複数の親案件が1件の子案件に統合される「多対1」の関係になります。同じ仕組みで両方に対応するには、親案件と子案件を「多対多」でつなげられる構造が必要になるため、間に中間案件という橋渡し役のオブジェクトを置きました。
それぞれの役割は以下の通りです。
また、子案件には「建売」「リフォーム再販」「仲介案件」「土地販売」の4つのレコードタイプを用意し、業態ごとに異なる項目セット・計算式を出し分けられるようにしています。
子案件・中間案件の作成と、金額の按分計算は、それぞれFlowで自動化しています。
いずれもレコード保存時に自動で発火する仕組みのため、担当者が手動で電卓を叩いて按分する必要がなくなりました。
新しい仕組みを導入する上で、いくつかの技術的な課題にも対応しました。
分筆・合筆した案件それぞれの状態が見えるようになり、案件単位での管理ができるようになりました。以前は1件にまとめて扱わざるを得なかった分筆案件も、区画ごとの進捗・金額を個別に追えるようになっています。
この分筆・合筆対応は、より大きな案件管理基盤の刷新プロジェクトの一部として実施したもので、本支援は現在も継続中です。
複雑な業務ルールをSalesforceでどう表現すればよいか分からない、というお悩みも歓迎です。
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