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不動産業・30名規模 Salesforce

土地の分筆・合筆に対応できなかった案件管理。
子案件・中間案件の仕組みで解決

業種・規模
不動産業(従業員30名規模)
支援内容
子案件・中間案件オブジェクトの新設と、Flowによる分筆・合筆時の自動作成・自動按分
支援期間
約4ヶ月(より大きな案件管理基盤刷新プロジェクトの一部として実施)
ステータス
支援継続中
The Challenge

抱えていた課題

お客様は、不動産業を営む従業員30名規模の事業者様です。Salesforceでは「商談」1レコードで案件全体(仕入〜販売)を管理していましたが、1つの土地・建物から複数棟・複数区画を販売する実態と合わず、収支管理の粒度がずれてしまうという課題がありました。

特に、1つの仕入案件を複数の販売区画に分ける「分筆」、逆に複数の仕入案件を1つにまとめて販売する「合筆」といった、不動産特有の業務の流れに対応できていませんでした。分筆が発生すると、本来は区画ごとに進捗や金額を別々に管理すべきところを1件の案件としてまとめて扱わざるを得ず、合筆の場合は統合後の案件情報を手作業で再入力する必要があり、二重管理が発生していました。

What We Did

実施した支援内容

既存の案件(Opportunity)はそのまま活かしつつ、「子案件」「中間案件」という2つの新しいオブジェクトを追加し、分筆・合筆に対応できる構造に組み替えました。

親案件
分筆前・合筆前
中間案件
区画ごとの按分情報
子案件
分筆後・合筆後

あえて親案件と子案件を直接つなげず、間に中間案件を挟む構造にしたのには理由があります。分筆は1件の親案件が複数の子案件に分かれる「1対多」の関係になる一方、合筆は逆に複数の親案件が1件の子案件に統合される「多対1」の関係になります。同じ仕組みで両方に対応するには、親案件と子案件を「多対多」でつなげられる構造が必要になるため、間に中間案件という橋渡し役のオブジェクトを置きました。

それぞれの役割は以下の通りです。

  • 01子案件:実際に販売する単位(1区画・1棟)を表すオブジェクト。販売価格・原価・利益などはこちらで管理する
  • 02中間案件:親案件・子案件の双方にぶら下がり、土地面積・金額などを区画ごとの按分比率に応じて自動配分した状態で保持する
  • 03子案件同士の親子関係:分筆後の区画をさらに分筆するケースもあるため、子案件同士にも親子関係を持たせ、元の子案件との紐付けを保持できるようにした

また、子案件には「建売」「リフォーム再販」「仲介案件」「土地販売」の4つのレコードタイプを用意し、業態ごとに異なる項目セット・計算式を出し分けられるようにしています。

Automation

分筆・合筆の自動化の仕組み

子案件・中間案件の作成と、金額の按分計算は、それぞれFlowで自動化しています。

  • 01子案件作成フロー:商談から中間案件・子案件を作成する画面フロー。土地面積が未入力の場合はエラーで作成をブロックするなど、データ品質を保つガードを組み込んでいる
  • 02按分計算フロー(商談→中間案件):土地面積の比率に応じて、仕入時・販売時の各種費用(調査費用・解体費用・その他経費など)を自動按分
  • 03按分計算フロー(分筆元→分筆後の子案件):分筆後にさらに分筆した場合も、同様のロジックで費用を再按分

いずれもレコード保存時に自動で発火する仕組みのため、担当者が手動で電卓を叩いて按分する必要がなくなりました

Behind the Scenes

工夫・苦労した点

新しい仕組みを導入する上で、いくつかの技術的な課題にも対応しました。

  • 01既存データの移行:数千件規模の既存商談データを、Salesforceのガバナ制限(SOQL件数・CPU時間など)に配慮しながら、バッチ処理で段階的に移行
  • 02Sandbox・本番環境の差異への対応:レコードタイプの内部IDがSandbox環境と本番環境で異なるため、IDを直接埋め込む実装で不具合が発生。動的にレコードタイプを取得するロジックに修正し、再発を防止
  • 03表記のゆれの統一:全角・半角が混在していたステータス(フェーズ)表記を、一時的な退避用の選択肢を経由する手順で、データを壊さずに安全に統一
The Results

得られた成果

分筆・合筆後の案件
個別に可視化区画ごとの進捗・金額がそれぞれ確認可能に
按分計算
自動化中間案件が区画ごとの配分を自動保持

分筆・合筆した案件それぞれの状態が見えるようになり、案件単位での管理ができるようになりました。以前は1件にまとめて扱わざるを得なかった分筆案件も、区画ごとの進捗・金額を個別に追えるようになっています。

この分筆・合筆対応は、より大きな案件管理基盤の刷新プロジェクトの一部として実施したもので、本支援は現在も継続中です。

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